ツララ ハーモニクス コローナ75のインプレという名の解説

ツララ ハーモニクス コローナ75(Tulala Harmonix Corona75 MLTC-HX)のインプレという名の解説をしたいと思います。

コローナ75のユーザーインプレを読む前にこのロッドをプロデュースした私の解説を是非読んでみてください。

 

このロッドが誕生したきっかけについて興味がある方はこちらもご覧ください。

ツララ ハーモニクス コローナ75誕生のきっかけ

もうちょっと補足すると、私の主力ロッドはクレールス60ですが川幅が広い河川、雪代や増水時、そして足場の高い釣り場にはやはり7フィートクラスが必要となります。

そして、昔から私を見てくれていた方には私が7フィートのロッドを多様していたのも知っていると思います。

愛用そして思い入れもある、あのロッドを超えるようなロッドをプロデュースしたいという思いで今回テスト開発を繰り返して来ました。

 

以前使用していたロッドに不満点は特になく今でも好きなのですが、周りからよく聞かされたのはフッキングがしずらいという事でした。

だから、その部分は必ずクリアーしたいと思っていたのですが、幸いにもツララのハイエンドロッドに使われているハーモニクスブランクスによってクリアーされ重めのルアーを使ってもしっかりとフッキングが可能になっています。

 

ツララ ハーモニクス コローナ75のメインターゲットはニジマスとしました。

虹鱒とコローナ75

中・本流で狙うターゲットと言えばニジマスをはじめブラウントラウト、アメマス、本州ではサクラマスと大型トラウトが様々いますが、その中でも猛烈なダッシュやジャンプを繰り返す大型ニジマスのキャッチが難しく、その難しい大型のワイルドレインボーに対応できれば他のトラウトも十分通用するからです。

ブラウントラウトに関しては口が異様に硬くなるのでもう少しパワーがあってもよいかもしれませんが、60センチ後半まで実績があります。

ブラウトラウトとコローナ75

そして、アメマスはローリングが激しい魚ですが60センチを超えるアメマスも激流の中で問題なくキャッチできています。

コローナ75と大岩魚(アメマス)

アメマスとコローナ75

ちなみに本州ではサクラマスでもコローナ75は素晴らしい力を発揮してくれるでしょう。
(※北海道の河川ではサクラマスは禁漁となっています。)

 

そしてコローナ75のコンセプトは以下の3つとなります。

・大型レインボーの猛烈なダッシュに耐える事ができる粘り
・ジャンプ中の首振りにも耐えられる追従性
・ピン撃ち性能

60センチを超える大型レインボートラウトのダッシュ力は半端ありません。

ヒット直後にズバーン!と走っていきます。

オープンウォーターや足場を変えたり走って追いかける事ができれば問題ないのですが、倒木やカバーがあったり足場を変えたり追いかける事が出来ない事も多々あります。

最初のダッシュでやられて、あのデカい魚は一体何だったんだろう・・・と悔しい思いをした人も少なくないと思います。

このファーストランをなるべく最小限にそしてカバーに突っ込まれないような強さと粘りを求めました。

ニジマスはジャンプをするから柔らかいロッドの方が良いと思う人もいるかもしれませんが、ファーストランで伸されてしまっては竿が仕事をしてくれません。

ある程度の硬さがあった方が最初のダッシュを受け止める事ができ、そして粘ってくれる事によってラインブレイクを防ぎます。

 

そして次に問題になってくるのが激しく首を振りながらジャンプを繰り返されてルアーを吹き飛ぼされてしまう事です。

大型ニジマスがドン!とヒットしてジャンプ一発でバレてしまい「アレはデカかった・・・」とガッカリした事がある人も多いでしょう。

もちろん私もその中の一人です。

だから、そんな悲しい結末を迎えたくないという気持ちが強くあるのですが、コローナ75の追従性がジャンプ中の首振りにも耐えてくれます。

ずっと、なんでジャンプするだけでルアーがふっ飛ばされるのか不思議だったのですが、コローナ75を使って50センチクラスのニジマスに目の前でジャンプされた時の姿と手元に伝わってきた振動で理解しました。

どんな個体もそうであるとは言えないのですが、実はニジマスはジャンプ中にサバのように体を震わせながら首を振ってルアーを吹き飛ばそうとしてきます。

または頭と体を大きく左右に振りながらルアーを口から弾き飛ばそうとしています。

ただ柔らかいだけのロッドだとルアーに対する抵抗の少ない空中での左右の首振りにロッドティップが追いつかずにルアーをふっ飛ばされやすくなります。

しかし、コローナ75はそんなジャンプ中の首振りにまでティップが追従してそのほとんどを吸収してくれました。

コローナ75でしっかりとフックの奥までフッキングを入れてロッドは下段の構えで耐えればジャンプ中のバラシを少なくできると思います。

 

このコローナ75の粘りと追従性を実現したのがツララのハーモニクスブランクスとストローガイドセッティングによる恩恵です。

以下がハーモニクスブランクスの特徴を一部抜粋した内容です。

例えばミノーで流れの中をトウィッチしているときやトローリングしているとき、繊細なソフトベイトをアクションさせているとき… こうした釣りにおいての操作感を維持するため、ルアーロッドは弾性を高く設定する必要があります。水に絡めたり、絡みを解いたり、ルアーを自由に操作できる硬さです。
しかしながら、これらの釣りにおいても、ひとたび魚が掛かると粘り強い曲がりが必要になります。
前述の竿は薄く、破損しやすい上に曲がる幅にも限度があります。このためには弾性を低く設定する必要が生じます。
最新ロッドのようなハリのある外殼を突き破ると、中から現れるのは筋肉のように曲がりこむ、柔らかいオールドのロッドテイスト。
軽く振り込むだけで、竿の曲がりと戻りが最大に活かされて、飛距離を出しやすい竿。長年釣り人が理想を描いていた竿の姿です。

引用元:https://tulalajp.com/product/product_category/harmonix/staccato

更にストローガイドセッティングによってハーモニクスブランクスの性能をいかんなく発揮していると思います。

一般的なロッドよりもガイド数が多い為、ロッド本来の反発力をより引き出す事ができています。

ガイド数が多い事による飛距離の影響については後述します。

 

また、アメマスやブラウントラウト、本州で言えばサクラマスはトラウト特有のローリングでラインを体に巻きつけてきますが、コローナ75の特有の粘りでジンワリと寄せる事で特にラインブレイクをした記憶はありません。

ローリングされたら注意すべきはエラ蓋や背びれ等の硬い部分にラインが擦れて切れる事だと思います。

だから強引に寄せたりせずにジワジワ寄せる事でラインに負荷をなるべくかけずに寄せるのが良いと思います。

巻かれた状態でダッシュされたら無理をせずに必死に堪えましょう。

ちなみに体中に巻き込んで自由が効かなくなったラインを大型トラウトの体全体を使った首振りで切られるのはロッドでは対応しようがなくラインを太くする事でしか対応できないと思います。

本来であればロッドの曲がりやドラグで吸収して逃がすことができる力が全てスナップとラインの結び目にかかってしまうからです。

だから大きな魚を狙う時のリーダーは20ポンドを使っています。

 

ピン撃ち性能についてはベイトロッドである以上必須で、ストローガイドセッティングによって気持ちよくピンを狙える性能となっています。

7.5フィートのロッドですが片手バックハンドキャストも可能です。

私は遠投はダブルハンドで普通にキャストして、倒木やアシ際のポケットを狙ったりする時にはよく片手バックハンドキャストで狙っています。

慣れれば5グラムから狙った所にキャストできますし、7グラムもあれば余裕でピン打ちが可能でオーバーハングの奥へルアーを撃ち込むのもストレスなく出来ています。

 

以上がコローナ75のコンセプトについての解説でした。

 

そしてハーモニクスブランクスそしてストローガイドセッティングによって以下の性能も上がっています。

操作性

コローナ75のルアーの操作性は非常に良いです。

ストローガイドセッティングでラインスラックがあまり出ないので細かいシェイクは得意としませんが、強めのトゥイッチやジャーク、リフトアンドフォールに対しては素晴らしい操作感があります。

ブラウントラウトとコローナ75

飛距離

ストローセッティングによる最小限のガイド径が導き出す、最大限の飛距離となっています。

主にPEラインでの使用に焦点を当て設計されたガイドセッティングで、風やトラブルに強く、ピン撃ち性能・飛距離共に満足のいくレベルとなっています。

 

コローナ75のデメリットをいくか列挙します。

価格が高い

すいませんハイエンドロッドになっているので値段は高いです。

ただし、その価値にあった性能を持ったロッドだと自負しております。

 

マイナス気温でガイドが凍る

ストローガイドセッティングでガイド経が小さいので凍りやすいです。

しかし、マイナス気温になる12月〜3月を考慮するよりも、3月の温かい日や4月以降のハイシーズンに焦点を当てました。

冬の3〜4ヶ月の釣りを考慮せずにビッグトラウトを狙いやすい春と秋に照準を合わせています。

 

ラインスラックを使った細かいシェイク等がやりにくい

ストローガイドセッティングによってラインスラックが激減するのでシェイクはやりづらいです。

 

結局コローナ75ってどんなロッド?というのをシチュエーションごとにイメージが湧きやすく説明すると

遠投やピン撃ちをして7〜9センチのミノーをパンッパンッと強めのトゥイッチを入れてポーズ、そしてドカンと来るバイトにしっかりとフッキングを入れたら後はティップとベリーの追従性と粘りに任せて魚のダッシュをなるべく短くし、ジャンプでのバレを防いでキャッチできる可能性を上げる

増水やハイウォーターで強烈な水流の中でのダウンでもしっかりとミノーを逆引きできて、ヒット後もロッドの粘りによって口切れを防ぐ。

もしくは、14〜20グラムの超ヘビーシンキングミノーやバイブレーションプラグをボトムまで送り込み、そこからのリフトアンドフォールで魚にアピールし、重めのプラグでもしっかりとフッキングできてジャンプ中の首振りで重めのルアーでもふっ飛ばされにくい。

もちろんミノーのドリフトも軽快に出来ます。

そんなロッドとなっています。

 

いつもそうですがコローナ75の開発・テストも本気で臨んできました。

幸いにも素晴らしい魚達と出会え満足の行く結果となりました。

68センチのレインボートラウトとコローナ75

 

北海道のワイルドレインボーを狙っている人はもちろんのこと

本州のサクラマスや犀川のブラウン、魚野川の大岩魚等でも使って貰えたら、こんなにうれしい事はありません。

コローナ75を使って一人でも多くの人が、自己記録を更新できるような魚に出会える事を切に願っております。

ツララ ハーモニクス コローナ75について何か疑問があれば遠慮なくコメントしてください。